「被災地のために何かしたい。でも、何から始めればいいのか分からない。行って、かえって迷惑にならないだろうか。」そんな方のために、参加する前に知っておきたいことを、全国社会福祉協議会などの公的な案内をもとにまとめました。
運営者の土濃塚は、2011年の東日本大震災のあと、約2年間、宮城県南三陸町へ物資を届ける活動を続けました。(東日本大震災 復興支援の記録)
災害によって、状況は大きく変わります。このページは一般的な目安です。参加するときは、被災地の最新の公式情報をご確認ください。(最終更新:2026年10月)
1. まず「いま行ってよいか」を確認する
被災直後は、道路や宿泊、受け入れ体制が整っていないことが多く、思い立ってすぐ現地に向かうと、かえって現地の負担になることがあります。
- 被災地の市区町村の社会福祉協議会が中心となって、「災害ボランティアセンター」が設置されます。ボランティア活動は、ここで受け付けるのが基本です。
- 募集が、地域を限定したもの(県内・市内の方のみ)や、事前登録制になっていることがあります。募集が始まっているか、条件は何かは、センターのホームページやSNSで確認できます。
- 全国の募集状況は、全社協 被災地支援・災害ボランティア情報にまとめられています。
- 被災地の役場やセンターは、電話の対応に追われていることが多いため、ホームページやSNSでの確認が確実です。
2. ボランティア活動保険に入る
活動中のけがや、他人の物を壊してしまった場合の賠償に備えて、出発前に加入します。
- 加入は、お住まいの地域の社会福祉協議会で行います。現地では加入できないことが多いため、出発前(遅くとも前日まで)の加入が基本です。災害時は、特例でWEBから加入できる場合もあります。
- 当日は、加入証を持っていきます。
- お住まいの地域で加入すると、自宅と活動場所の往復の道のりも補償の対象になります。
- 保険は年度ごと(4月1日〜翌年3月31日)です。同じ年度にすでに加入している場合は、重ねて加入する必要はありません。
- 保険料は、年額350〜500円程度が目安です(令和8年度。プランや地域により異なります)。
- 地震・津波などの「天災」による事故は、「天災プラン」でないと補償されない場合があります。水害などの風水害は、基本プランでも補償されます。どのプランが合うかは、社会福祉協議会で相談できます。
3. 服装・持ち物
被災地では、道具や衣類を現地で調達するのは難しいのが実情です。自分で準備して行くのが基本です。
安全のための装備
- 長袖・長ズボン
- 底の厚い長靴(釘やガラスなどの踏み抜きに注意)
- ヘルメット
- ゴーグル
- 防塵マスク
- ゴム手袋(作業用の手袋と重ねて使うとよい)
そのほかの持ち物
- 着替え、タオル
- レインウエア(上下が分かれているもの)
- 簡易トイレ(大人用の紙おむつなど)。被災地のトイレは、被災した方々が優先です。
- 水、食べ物、塩分を補給できるもの(熱中症対策。夏だけでなく、作業中は汗をかきます)
- 保険の加入証、身分証、現金、常備薬
- ごみ袋
- 冬は、重ね着できる防寒着
4. 移動・宿泊は「自己完結」で
- 食事、宿泊、移動手段は、自分で用意するのが基本です。現地に負担をかけないためです。日帰りできる範囲での参加も、大切な参加のしかたです。
- 車で行く場合は、駐車場所をセンターの案内で確認しておくと安心です。路上駐車は、緊急車両や復旧作業の妨げになるためです。
- 災害によっては、ボランティア車両の高速道路の無料措置が実施されることがあります。実施されるかどうか、手続きの方法は、災害ごとに異なります。最新の情報は、高速道路会社や全社協の案内で確認できます。
5. 現地での活動と心構え
災害ボランティア活動は、「被災者中心」「地元主体」「協働」の3つの原則で進められています。
- 作業の内容は、センターや現地のリーダーから案内があります。分からないことは、その場で聞けば大丈夫です。
- 水分と休憩は、こまめにとるのがおすすめです。体調がすぐれないときは、遠慮なく申し出て大丈夫です。
- 写真やアルバム、位牌などは、泥をかぶっていても、大切な物のことがあります。捨ててよいか迷ったときは、持ち主の方に確認すると安心です。
- 自分で出したごみは、持ち帰るのが基本です。
- 被災した方の家や、人の撮影・SNSへの投稿は、ご本人の許可をいただいてからにします。
- 泥や水に触れたけがは、感染の心配があります。けがをしたときは、すぐに洗い流し、早めに受診すると安心です。
6. 現地に行けない人にできること
- 募金:「義援金」と「支援金」は違います。義援金は被災した方々へ配分されるお金、支援金(活動支援金)は支援団体の活動費に使われるお金です。目的に合わせて選べます。
- 募金先は、使いみちと報告(いくら集まり、何に使われたか)が公開されている窓口だと安心です。災害のあとは、偽の募金サイトや、SNSでの個人の募金の呼びかけもあるため、注意が必要です。
- 物資:個人で送った物資は、受け入れ側の保管・仕分けの負担になることがあります。募集がある場合に、その条件に合わせて送るのが確実です。
- 情報:SNSなどで共有するときは、公式の情報を選ぶと、誤った情報が広がるのを防げます。
- 時間が経ってから:被災地を旅行で訪ねる、特産品を買うなど、復興期の支援もあります。
7. 最新の情報を探す
- 全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
- 被災地の社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)のホームページ・SNS
- 全国の社会福祉協議会(地図から探す)
- 自治体(都道府県・市区町村)の公式サイト
よくある質問
Q. 初めてでも参加できますか?
A. 多くの災害ボランティアセンターでは、未経験の方も受け入れ、受付で活動内容や注意点の説明があります。ただし、募集の条件は災害ごとに異なります。
Q. 未成年でも参加できますか?
A. 年齢の条件や、保護者の同意が必要かどうかは、センターごとに異なります。募集要項で確認できます。
Q. 一人でも参加できますか?
A. 個人での参加を受け付けているセンターが多くあります。
最後に
私が最初に被災地へ向かったのは、震災から約3週間後でした。宮城県の職員の方に相談し、南三陸町の避難所を紹介していただいたのがきっかけです。

